大会の見所

種目別展望 混合ダブルス


世界に君臨する鄭思維&黄雅瓊。渡辺&東野は混戦を抜け挑戦権をつかめ

世界1位の鄭思維(右)/黄雅瓊(中国)は2連覇がかかる

 世界選手権、アジア大会など、昨年8月から今年6月まで出場した14大会のうち10大会を制して他の追随を許さないのが、2連覇を狙う鄭思維/黄雅瓊(中国・WR1位)だ。鄭/黄以外のシードされている7ペアのうち、鄭/黄に2勝以上、挙げたペアはいない。混合ダブルスは第1シードに立つ2人を世界が総力を挙げて倒しにかかる。

世界4位のプアヴァラヌクロー(右)/タエラッタナチャイ(タイ)

 準決勝で鄭/黄と戦うべく、勝ち上がりそうなのは、タイのプアヴァラヌクロー/タエラッタナチャイ(WR4位)かインドネシアのジョーダン/オクタビアンティ(WR7位)だ。タイペアが2勝1敗と勝ち越しているが、直近の全英選手権ではインドネシアペアが勝ち、どちらが準決勝に進んでもおかしくない。

アドコック夫妻(イングランド)は欧州の期待を背負う

 一方、鄭/黄への決勝での挑戦権を賭け、激戦必至なのは下の山にいる選手たちだ。鄭/黄に勝つかもしれないと期待させる実力者たちが集まり、好カードが多い。

ホンコンチャイナの鄧俊文(左)/謝影雪は2012年以来の優勝が目標

 たとえば1回戦から、昨年2位で第2シードの王懿律/黄東萍(中国)と欧州ナンバーワンのクリス・アドコック(右)/ガブリエル・アドコック(イングランド・WR9位)が当たる。王/黄はここを抜けても準々決勝では、アジア大会・準決勝で敗れたホンコンチャイナの鄧俊文/謝影雪(WR8位)と激突しそうだ。

 そして準決勝で王/黄に待ったをかけそうなのは、日本が誇る渡辺勇大/東野有紗(日本ユニシス・WR3位)だ。1勝7敗と中国ペアに差をつけられているが、いま伸び率が高く、金星をつかみそうな気配を漂わす。

第2シードの王懿律(左)/黄東萍(中国)は打倒・鄭/黄に燃える

 2人が大きく変わったのは昨年から。日本代表チームに混合ダブルスの専任コーチが加わり、この1年でWRを37位から3位に上昇させた。今回、1回戦でフランスオープン2位の徐承宰/蔡侑打(韓国)、準々決勝ではリオ五輪の銀メダリスト・チャン/ゴー(マレーシア)と当たりそうな厳しい組み合わせだが、いまの渡辺/東野なら軽々と連破してくれそう。渡辺が男子ダブルスでも力をつけたことで、攻めのバリエーションが増えているのも頼もしい。

渡辺(左)/東野は優勝すればこの種目で日本初V

 決勝で鄭/黄をも倒せれば、混合ダブルスで日本人初の優勝ペアになるばかりか、東京オリンピック優勝の自信も得られるはず。日本のサポーターは全力で2人を応援してほしい。

チャン(左)/ゴー(マレーシア)はリオ五輪の銀メダリスト
徐承宰(右)/蔡侑打(韓国)は渡辺/東野と1回戦で対戦


*世界ランキングは6月25日付



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