大会の見所

1回戦 7月23日(火)の好カード

1回戦から各国のスターが激突!

来年、東京オリンピックのバドミントン競技の会場になる武蔵野の森総合スポーツプラザで、「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」が、いよいよ始まる。東京五輪出場権レースさなかの開催で、例年より激戦になることは必至だ。初日の23日(火)に行われる1回戦から選りすぐりのカードを紹介しよう!

男子シングルス

諶龍(中国)VS常山幹太(日本) 
⦿対戦成績:諶龍が1勝

「粘りの常山がリオの金メダリストに挑戦」

常山幹太は球足の長いショットを多用して勝機を探る

日本代表の常山幹太(WR15位・トナミ運輸)が第5シードの諶龍(WR4位)に挑戦する。リオ五輪の金メダリストとの対戦は難しいが、夢に繋げるために越えなければならない一戦になる。

現在、東京五輪出場権の2枠目をめぐり、常山とWR10位の西本拳太(トナミ運輸)が争う格好になっている。五輪の出場枠は1カ国・地域あたり最大2人まで。ここ最近、世界ランキングを落としている常山は、ここで一つでも多く勝って、東京に近づきたい状況だ。

諶龍を撃破するための手応えも得ている。初対戦した今年4月のアジア選手権ではストレート負けを喫したが、1ゲームは19本と粘った。

常山は日頃、「僕の持ち味は徹底した粘り」と口にしており、今回も辛抱強く耐えて勝機を探る。諶龍の187㎝からのスマッシュには角度があるが、ラリー自体はハイスピードではないのも常山には好都合だ。

常山のプレーには魅力も多い。15点サービスポイント制のときのようなゆったりした雰囲気があり、オールドファンの郷愁を誘うものがある。それでいて、動くスピードを上げたあとの一発にはキレがあり、爽快感をもたらしてくれる。

30歳になった諶龍の円熟味も見物。劣勢のとき、戦況をガラリと変えられる引き出しが多く、決してポイントを許さない凄みがある。もし、今回優勝すれば2011年以来、8年ぶり2回目。今年、ワールドツアー優勝はまだなく、1勝目を目指して今大会に挑む。

女子シングルス

奥原希望(日本)VS 川上紗恵奈(日本)
⦿対戦成績:奥原が2勝

「1回戦は日本対決。川上が奥原に挑戦」

奥原希望は2回目の優勝を目指す

日本のエース・奥原希望(WR2位・太陽ホールディングス)が、21歳の川上紗恵奈(WR29位・北都銀行)の挑戦を受ける。世界ランキング的に見れば、圧倒的に奥原に分があるが、1回戦は波乱が起きやすく、百戦錬磨の奥原でも慎重さを擁する一戦になる。

おそらく奥原は、この1年で川上が急成長したことも気がかりだろう。昨年、リザーブからの繰り上がりで今大会出場を果たした川上は、1回戦で3連覇したキャロリナ・マリンに完敗。「私には戦略のバリエーションが少ない」と課題を口にしたが、その後、メジャーツアーへの参戦機会が増え、ラリーの幅が確実に広がった。

その成果が、今年3月のスイスオープンの準優勝と、オルレアンマスターズの優勝だ。川上は山口茜と同い年で、ライバルの活躍に胸騒ぐ日もあっただろうが、ようやく同じ土俵で戦えるようになり、いきいきとプレーしている。

21歳の川上紗恵奈は金星奪取を狙う

持ち味はアップテンポな攻め。強烈な一発はもたないが、リズミカルに広く、速くコートをカバーし、対戦相手を追い詰めていく。読みの鋭い奥原は川上のスピードを封じるための球出しを試みるだろう。ラリーの速さを落とすため、奥原がどう策を講じているか見ると試合がいっそうおもしろい。2015年以来2度目の優勝を目指す奥原にとって、川上は気が引き締まる相手になりそうだ。