大会の見所9 男子ダブルス注目選手2
李俊慧&劉雨辰(中国)
LI Jun Hui リー・ジュンホゥイ&LIU Yu Chen リゥ・ユチェン
世界ランキング3位(6月25日付)
「五輪3連覇の期待が注がれる中国の星」
2016年リオデジャネイロ五輪の男子ダブルスは傅海峰/張楠が優勝し、中国が2連覇を飾った。その約1カ月後、開催されたダイハツ・ヨネックスジャパンオープンで頂点に立ったのが、当時、21歳の李俊慧と劉雨辰だ。
2人にとってはうれしいスーパーシリーズ(ワールドツアーの前身)初優勝。
「僕らにとって大きな意味のある勝利。一皮剥けた気がします」と口を揃えた顔には、4年後、偉大な足跡を継ぐのは自分たちだ、という希望が浮かんでいた。
事実、3年前のダイハツ・ヨネックスジャパンオープンを機に、李俊慧/劉雨辰は大きく羽ばたいていった。195㎝&193㎝という長身の2人にとっては、どんなにしっかりしたロブもチャンス球だ。長い手足は守備範囲の広さも生み、容易には決めさせない。
そうして徐々に勝ち方を覚えて中国のエースと呼ばれるようになると、2017年4月に初めて世界ランキング1位に到達。2018年8月には世界選手権の王者にもなった。
しかし、そんな彼らがいま、もどかしく思っていることは、2018年4月からは世界1位に一度も到達できていないことだ。
2人の前に立ちはだかるのは、剛と柔を駆使するインドネシアのギデオン/スカムルヨ。昨年のダイハツ・ヨネックスジャパンオープン決勝では、1勝8敗と連敗記録を伸ばした。
敗れたあと、李俊慧が「まったく自分の力を出していない感じだった」といえば、劉雨辰は「相手の戦術に脅威を感じてしまった」と悔しい顔を見せている。
この敗戦から2人がいっそう悩んだことは間違いない。「どうしたらインドネシアペアに勝てるのか」。
そんな2人のもがきが実を結んだのは、2018年12月のワールドツアーファイナルズだ。予選リーグで当たったギデオン/スカムルヨに3年ぶりに勝った。スコアは21-18、24-22。激しい戦いだった。
この勢いを駆って優勝した2人は、試合後、「僕らは細かい部分に目を向けられるようになっている。苦しい戦いを経ることで僕らは成長している」と喜んだ。
今年のダイハツ・ヨネックスジャパンオープンには、昨年よりも自信を増した李俊慧/劉雨辰がやってくる。「来年の東京五輪で中国に3連覇をもたらしたい」という強い思いを心に秘めて――。
⦿李俊慧&劉雨辰(中国)
■プロフィール
リー/1995年5月10日(24歳)/195㎝85kg/右利き
リゥ/1995年7月25日(23歳)/193㎝90kg/右利き
⦿RESULTS
'18ワールドツアーファイナルズ優勝
'18世界選手権優勝
'19マレーシアオープン優勝
'16ヨネックスオープンジャパン優勝