大会の見所8 女子シングルス注目選手2
ラチャノック・インタノン (タイ)
Ratchanok INTANON
世界ランキング7位(6月25日付)
「大輪の花をもう一度。頂点への夢を抱くタイのエース」
日本バドミントン界で若くして頭角を現した選手の代表格に山口茜(再春館製薬所)がいる。2013年、ダイハツ・ヨネックスジャパンオープンを16歳3カ月16日で制し、スーパーシリーズ(ワールドツアーの前身)最年少優勝の記録を打ち立てた。
さらに世界を見渡すと、少女時代から活躍している選手がもう一人いた。
24歳のラチャノック・インタノン (タイ)だ。
2009年、14歳のとき、世界へのデビュー戦となったベトナム・インターナショナル大会で優勝。同年、中学生にして世界への登竜門・世界ジュニア選手権でも頂点に立ち、その後、3連覇を遂げた。18歳のときには、史上最年少で世界選手権の女王に輝いている。
10代にして急こう配の山を軽やかに駆け上がったのがインタノンだ。
その強みは以前も今もラリー力にある。一撃必殺の球を持たない代わりに強靭な足腰を備え、苦しいラリーに耐えながら、鋭いカットで好機を探っていく。
インタノンにとって残念なことは、2013年の世界選手権以降、この優勝を越える成績を残せていないことだ。しかし、東京オリンピックで金メダルを獲るという決意が心に刻まれているから、今も努力を続けている。
高速化が進む世界の流れを意識して、昨年11月からはラリーを速めることを意識するようにもなった。その甲斐あって、今年はワールドツアーで2勝。3月のインドオープン決勝では4戦全敗だった中国の何冰嬌に勝って「うれしい!」と喜んでいる。
試合後は勝っても負けても慎ましく手を合わせるのもインタノンの魅力だ。すべてに感謝する姿が象徴するように、コートを離れたときのインタノンは優しく、穏やかに微笑んでいる。試合中の厳しい顔とは異なる雰囲気に魅了されるファンは多い。
ダイハツ・ヨネックスジャパンオープンでは、ここでの勝利を東京五輪の金メダルへつなげたいと願うインタノンの凛とした佇まいを見てほしい。
⦿ラチャノック・インタノン
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