大会の見所

種目別展望 女子シングルス


奥原と山口が2回目の優勝を狙う。戴資穎や陳雨菲が手ごわいライバル

第1シードに座る戴資穎が優勝最有力候補

 過去、ダイハツ・ヨネックスジャパンオープンを制したことのある出場選手は5人おり、うち4人が世界ランキング・トップ10を維持している。いずれも前回の優勝時より強さを増しており、今年はハイレベルな戦いが期待できる。

 優勝の筆頭候補は、2016年12月より世界ランキング1位をほぼキープする戴資穎(チャイニーズタイペイ)だ。初優勝した2012年時よりパワー、戦術のうまさに磨きがかかったうえ、昨年はアジア大会の金メダリストに輝いて、世界1位にふさわしい風格も備わった。五輪レース中の今年は、第1シードながら2回戦であっさりと敗れた昨年とは違う強さを見せつけるはずだ。

ラリーしながらカットで勝機を探るラチャノック(タイ)

 そんな女王に待ったをかけるのは、戴資穎キラーのラチャノック・インタノン。2013年、史上最年少の18歳で世界選手権を制したインタノンは、世界トップ10のなかで唯一、戴資穎に勝ち越している。順当にいけば、戴資穎とは準々決勝で対戦。執拗な戴資穎のフェイントをしのいで勝機を見出す。

驚異的なねばりで2回目の優勝を狙う奥原希望

 準決勝で戴資穎かラチャノックのどちからと対戦してほしいのは、昨年2位の奥原希望(太陽ホールディングス)。優勝すれば2015年以来、2度目の優勝になるが、準決勝へ勝ち進むには困難の多い山に入った。

A代表への返り咲きを狙う川上紗恵奈

 1回戦で日本の川上紗恵奈(北都銀行)、2回戦ではおそらく髙橋沙也加(日本ユニシス)と対戦する。世界ランキングは奥原が上だが、チャレンジ精神をむき出しにしてくるやっかいな相手だ。とくに7月2日現在、世界ランク20位の髙橋は五輪レースでの生き残りがかかり、左腕でがむしゃらに攻めてくるだろう。

東京五輪の出場を目指す髙橋沙也加

 奥原がこの2人に勝っても次の準々決勝では、おそらく2016年優勝の何冰嬌(中国)が待っている。素朴な22歳は、サウスポーでネットプレーが絶品。7月2日時点、奥原が6勝1敗と勝ち越しているが、直近のアジア選手権で初めて敗れたのが気がかかりだ。

中国二番手の何冰嬌はネットプレーが巧み

 厳しい山といえば、第二シード陳雨菲(中国)の道のりも険しい。昨年3位の陳雨菲は、2018年までメジャーツアー勝利は1回だけだったが、今年は全英選手権を制すなどの成長を見せ、優勝候補に躍り出た。

中国のエースを担う陳雨菲は昨年3位

 初優勝を目指す陳雨菲の最初の難敵になりそうなのは、2012年ロンドン五輪の金メダリストの李雪芮(中国)。2回戦で当たる見込みの28歳は、2014年大会で優勝したあと、ケガで第一線を離れたが、昨年末に本格復帰した。勝負所を知り、再起をかける熱い思いがあるだけに簡単ではない相手になりそうだ。

山口はジャンプしながら多彩にショットを打ち分ける

 陳雨菲はここを抜ければ、準々決勝では、インドのサイナ・ネワルか韓国の成池鉉と激突するか。ネワルは29歳、成池鉉は27歳とベテランでどちらもラリー戦が得意だ。

シンドゥはリオ五輪の銀メダリスト

 2013年以来2回目優勝を狙う山口茜(再春館製薬所)は、準々決勝まで勝ち上がってくるだろうバドミントン界きっての攻撃型、プサルラ・V・シンドゥ(インド)を倒せれば、準決勝で陳雨菲と顔を合わせる可能性が高い。山口は、打つタイミングや球の長さを変えて、ラリーを自分のリズムにするのが抜群にうまい。今回も持ち味を生かし、15センチ以上、長身のシンドゥや陳雨菲を翻弄してほしい。



*世界ランキングは6月25日付



いよいよ開催のダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2019。
会場のご案内、観戦マナーと撮影について記載しました。
会場で観戦予定の方はこちらをご覧ください。

種目別展望