種目別展望 男子シングルス
世界ランキング1位の桃田賢斗が2連覇なるか
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昨年、日本男子としてダイハツ・ヨネックスジャパンオープンを初制覇した24歳の桃田賢斗(NTT東日本)は、今年、第1シードから2連覇に臨む。昨年9月から世界ランキング1位をキープし、今回は追われる立場での王座挑戦だ。
今年に入ってから、桃田は「まわりから研究されていることを強く感じる」と何度も口にし、「今回は苦しい戦いになると思いますが、優勝を狙っていきたい」と強い決意を示している。
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そんな桃田の最初の壁になるのは、第7シードのアンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)か。順当に行けば、準々決勝で当たる。昨年の後半からコンスタントに世界トップ10入りをするようになった23歳は、桃田が「スピードがある」と警戒する選手だ。当たったら、桃田がどんなショットを使って、相手のスピードを封じるかが見物になる。
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桃田は、昨年8強のギンティングを越えたとしても、準決勝でさらに手ごわい相手が待っている。勝ち上がってきそうなのは、3月の全英選手権の決勝戦で戦ったビクター・アクセルセン(デンマーク)か、リオデジャネイロ五輪の金メダリスト、諶龍(中国)だ。
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修羅場を熟知する諶龍との顔合わせも白熱しそうだが、どちらかといえばファンが見たいのは、アクセルセンとの対決だろう。7月1日現在、桃田が12勝2敗と圧勝しているが、アクセルセンは全英選手権でファイナルまで食らいついており、力は接近している。「どんどんスピードが上がっている」というのが桃田評だ。もし、アクセルセンが桃田を破れば、2014年2月以来となり、感動的な喜びを見せるだろう。
2度目の優勝を狙う諶龍は、1回戦で世界11位の常山幹太(トナミ運輸)、2回戦で世界10位の西本拳太(トナミ運輸)に当たる山にいる。
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常山と西本は、実質、東京五輪の2枠目を狙うライバル関係にあり、今回、諶龍を突破できた選手は大きなアドバンテージを得られる。難敵だが、金星を掴んで準決勝で桃田と日本対決を演じてほしいところだ。
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反対側の山では、第2シードに座る石宇奇(中国)がもっとも充実している。昨年12月のワールドツアーファイナルズで桃田に初めて勝ったことを自信にし、5月のスディルマン杯の決勝でも桃田を退け、母国に優勝ポイントをもたらした。
球足の長い球を多用するためラリーは優雅に見えるが、チャンスが来たときの攻撃は鋭い。もし決勝が桃田と石宇奇の顔合わせになれば、世界最高の好カードになる。桃田にしてみれば、いま一番怖い相手でもちろん優勝候補のひとりだ。
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この石宇奇に挑戦しそうなのは、第4シードの周天成(チャイニーズタイペイ)。ゆっくりと成長してきた29歳のアタッカーは、いま、花盛りのときを迎えている。最大の武器である攻撃を生かすための戦術が巧みになったのが好調の要因だ。
周天成は、2回戦で昨年、ファイナル負けした林丹(中国)と当たりそうなのもおもしろい。林丹は北京五輪、ロンドン五輪を二度制した生きるレジェンドで、4月のマレーシアオープンで35歳ながら優勝を飾り、健在を示した。今年も林丹が勝ち進めば、オールドファンは間違いなく喜ぶ。
キャリアの幕を下ろす日が遠くないいま、円熟味のあるプレーを必ず目に焼き付けてほしい。
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このほか、上位へ勝ち進みそうなのは、第8シードのスリカンス・キダンビ(インド)と、第6シードのヨナタン・クリスティ(インドネシア)。
ポーカーフェイスのキダンビは、手の内をよく知るH. S. プラノイとの1回戦を突破できれば順当にベスト8を確保しそう。昨年のアジア大会で優勝し、その名を世界に一気に広めた21歳のクリスティは、準々決勝が山場で石宇奇と対戦する。どちらも目指すは初優勝だ。
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*世界ランキングは6月25日付
いよいよ開催のダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2019。
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