注目選手紹介8:園田啓悟&嘉村健士

日本の歴史を切り拓く園田啓悟&嘉村健士
男子初の優勝なるか

「去年は銅、今年は銀。悔しいのですが、一つひとつステップしているので来年こそ金を獲りたい」(嘉村)

"ソノカム"こと、園田啓悟&嘉村健士は、8月、中国・南京市で行われた世界選手権で銀メダルを獲得した。2人は優勝に届かなかったことを悔やんでいたが、残した足跡を見てみれば日本男子ペア史上初の決勝進出だった。

もちろん「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2018」では優勝候補の一角。組んで10年以上経つ2人は28歳にして、日本の歴史を切り拓く存在になっている。





昨年優勝のギデオン/スカムルヨに並び立つ存在に

園田/嘉村が世界でもかなり有力な存在となっている証は、世界ランキング1位で、昨年の今大会の覇者・ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)との勝率から見てとれる。まずはこの1年のギデオン/スカムルヨとほかの有力ペアとの対戦成績を見ていこう。

■ギデオン/スカムルヨ
5勝0敗 李俊慧/劉雨辰(中国・WR2位)
3勝1敗 劉成/張楠(中国・WR4位)
3勝1敗 ボー/モーゲンセン(デンマーク・WR5位)

対して、園田/嘉村とインドネシアペアの対戦成績は2勝2敗。トリッキーな球の連続で、昨年9月から世界ランキング1位の座を一瞬も明け渡したことのないインドネシアペアに対し、世界で唯一、対等に戦っているのが園田/嘉村なのだ。

もちろん、ライバルはインドネシアペアだけではないが、世界ランキング1位と対等に戦っている事実は、園田/嘉村のいまの強さを示すひとつの指標になっている。

世界選手権準決勝でギデオン/スカムルヨに勝利

ではなぜ、園田/嘉村がギデオン/スカムルヨに対抗できるようになっているのか。そこは、後衛・園田のもともとの堅実さに加え、前衛・嘉村の成長が大きいだろう。

世界選手権の準決勝でギデオン/スカムルヨに勝ったあと、嘉村はこんなことを話していた。

「スカムルヨの前衛は世界のトップ。そことしっかり戦うことができた」

園田/嘉村のスタイルは、相手の攻撃をアンダーハンドで遠く、高く飛ばすショット・ロブを徹底的に使わない「ノーロブ」スタイルだ。約2年前、嘉村はスカムルヨのフェイントたっぷりのネットプレーに対応できず、高くレシーブさせられることが多かった。

しかし、今ではスカムルヨのショットに幻惑されることなく、低くつなげて得意のドライブ戦に持ち込むことに成功している。そこが大きく変わった点だ。

そして見ている者にとってうれしいのは、この日本VSインドネシアの戦いが、どの試合よりも速く、力強く、スリリングで興奮できることでもある。もし、両ペアが対決すれば、男子ダブルスのおもしろさを堪能できることは間違いない。

世界王者・李俊慧/劉雨辰もヤマ

世界選手権の準決勝でインドネシアという大きな山場を抜けた園田/嘉村だが、決勝では中国の李俊慧/劉雨辰に12本、19本で負けた。195㎝&193㎝という相手の角度あるショットに屈した形だ。

李俊慧/劉雨辰は、2016年の「ヨネックスオープンジャパン2016」で、ワールドツアーの前身であるスーパーシリーズで初優勝を遂げ、トップランカーの階段を駆け上がっていった。園田/嘉村はこの1年で中国ペアに1勝2敗と負け越している。世界王者となった23歳ペアも倒さなければいけない存在だ。

「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」では、シードが順当に勝ち進めば園田/嘉村は、準決勝で李俊慧/劉雨辰と、決勝でギデオン/スカムルヨと対戦することになる。

なお、世界選手権で銀メダルを獲得後、嘉村がこんなことを口にしていた。

「今年の目標はランキング8位以内に入り続けることでしたが、変更して1位を目指していきたいです」

これまで男子ダブルスで日本選手が世界ランキング1位に就いたことはない。園田/嘉村はさらに新しい歴史を刻むべく、「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2018」では優勝を目指す。

⦿園田啓悟のプロフィールはココでチェック!
http://www.tonami-badminton.jp/players/keigo_sonoda.html
⦿嘉村健士のプロフィールはココでチェック!
http://www.tonami-badminton.jp/players/takeshi_kamura.html