注目のカード
準決勝 9月15日(土)

いよいよベスト4が激突!世界選手権覇者・桃田が世界ランキング1位のアクセルセン!福島/廣田は世界最強の日本女子ダブルスのエースとなれるか!?

男子シングルス① 13:00頃開始予定
ビクター・アクセルセン(デンマーク)VS 桃田賢斗(日本)

⦿対戦成績:桃田が8勝2敗

この2人が準決勝で対戦してしまうのが本当に勿体ないくらいの戦いだ。新しい時代の王座を奪い合う24歳の2人が激突する。8月、世界王者の称号を手にした桃田賢斗(WR4位)は、ジュニア時代からのライバル、世界ランキング1位のビクター・アクセルセン(デンマーク)と顔合わせする。

桃田は準々決勝でこれまでの時代に終止符を打つ戦いを演じた。北京、ロンドンと五輪連覇を成し遂げたレジェンド林丹(中国)をわずか8本、10本で圧倒。3年ぶりの対戦で世代交代を印象付ける戦いを演じ、「憧れの選手に勝ち、うれしいというより寂しい」と口にした。

一方、アクセルセンはアジア大会3位と、最近、頭角を現した21歳のアンソニー・シニスカ・ギンティングとの消耗戦に勝利。敗れたギンティングは「この会場は、ラリーが長くなりがちで、球を上げてしまった。そんなとき手足が長いビクターにエースをとられ、彼の良さを出させてしまった」と悔しがる。

アクセルセンにしてみれば、明日は長所を出しやすいこの会場を追い風にしたいところだろう。というのも、桃田との対戦成績は2勝8敗。桃田復帰以降も2連敗を喫し、明らかに苦手な相手なのだ。桃田は世界1位の座を揺るがす存在だといっていい。

有利な立場にいる桃田だが、心には「ビクターと当たっていない世界選手権優勝は実感が乏しい」という思いがある。さらには2年後を見据える思いも。「(アクセルセンは)東京オリンピックでもライバルになる選手。明日はしっかり準備をして戦いたい」東京五輪での金メダルのためにも、明日、桃田は全力で戦う。

女子シングルス① 10:50頃開始予定
奥原希望(日本) VS 大堀彩(日本)

⦿対戦成績:奥原希望が5勝1敗

年齢が、奥原希望(WR8位)と、山口茜(WR2位)の間に挟まれている1997年生まれの21歳、大堀彩(WR17位)が、準々決勝で中国の格上をテンポのいい攻撃で退け、準決勝で奥原に挑戦する。大堀が「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」の準決勝に進出するのは、2016年以来、2回目だ。

経験値でいえば、圧倒的にリオ五輪の銅メダリスト奥原が有利。そして、会場の特性からラリーが長くなることが予想され、「私にとって悪い条件ではない」ときっぱりと話す。予測より早く球が落ちるため、大会序盤では調整が必要だったが、いまではしっかり前に足を運ぶなどして対応ができている。

一方、大堀は今大会で好調の理由として、「朝起きて、寝ているときにコンディションの良し悪しが分かるんです」。とコンディションのよさをあげている。

明日はどちらが勝っても、日本選手が決勝へ進む。これを"素敵なこと"というのは奥原だ。「準決勝らしい試合になるよう、ベストパフォーマンスで出したい」。大堀は「明日は簡単に決まらないので、長いラリーが当たり前と覚悟して試合に入りたい」と決意を語る。

2人の好プレーが出たとき、観客は大きな拍手をおくって健闘を称えてほしい。




男子ダブルス① 17:00頃開始予定
マルクス・F・ギデオン/ケビン・S・スカムルヨ(インドネシア)VS 何済霆/譚強(中国)

⦿対戦成績:何済霆/譚強が1勝0敗

これぞインドネシア!というべきフェイントの連続で、「世界で一番、スリリングなペア」と称賛されるギデオン/スカムルヨ(WR1位)が準決勝に勝ち進んだ。ある日本代表選手は彼らのプレーについて「イチかバチかの勝負に出て、決まる確率が極めて高いペア」と評したことがある。それだけに、見ているほうも意外な配球に驚かされることばかりだ。今年、最大の目標だった地元・インドネシアでのアジア大会で優勝し、やや疲れは見えるが、本命らしい強さで2連覇を狙う。

準決勝で対戦するのは20歳ペアの何済霆/譚強(19位)だ。まだ若いが「男子ダブルスは実力が拮抗しているので誰が勝ってもおかしくない」と、格上にも負ける気はない。持ち味は、「スピードある攻撃」だといい、明日は、変幻自在に緩急をつけるインドネシアのペースにいかに巻き込まれないかで、勝負の行方が決まりそうだ。

なお、2016年の「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」では、8月の世界選手権で優勝した先輩の李俊慧/劉雨辰(WR2位)が、スーパーシリーズ(ワールドツアーの前身)で初優勝し、2年で頂点に駆け上がった。若い何/譚は偉大な先輩と同じ成功の再現を狙う。




女子ダブルス① 13:30頃開始予定
福島由紀/廣田彩花(日本) VS グレシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ/(インドネシア)

⦿対戦成績:互いに2勝2敗

このカードでは、観客も試合が長くなることを覚悟したほうがいい。日本ダブルス陣で唯一勝ち残った世界ランキング1位の福島由紀/廣田彩花が、バドミントン界きっての技巧派・ポリー/ラハユ(WR4位)と対戦する。
多くの選手が「この会場は羽根を飛ばすのにパワーがいる」と話す通り、今回はスマッシュが決まりにくく、試合時間が長い。

実際、ブルガリアペアとの準々決勝のあとポリーは足をつり、「ラリーが長くなり、本当につらかった」と立っていられないほどになった長期戦を嘆いた。ポリーは「だから…」と続ける。「我慢、我慢…。明日までにできるだけ早く体を回復させ、試合になったら我慢するだけ。日本選手と試合するときは、ただでさえ、我慢して絶対に負けないという気持ちが必要なんだけど」と、胸の内を明かす。

福島/廣田もまた準決勝は忍耐を強いられることを覚悟している。

廣田が準々決勝について「今日は長いラリーになることを想定して試合に入ったことでいい勝ち方ができた」と振り返ると、福島は「準決勝も今日みたいに長くなるはずだから、しっかり我慢したい」と言葉をつなぎ、決意表明した。

本来、福島/廣田は前後の陣形を素早く入れ替わりながら、テンポよく点を重ねていくタイプ。一方のインドネシアペアは低く速い球回しが得意なスタイル。どちらも自分たちのよさが出しにくいコート環境のなかで、どちらが我慢くらべのラリーに勝てるか。見どころはそこにありそうだ。




混合ダブルス① 11:40頃開始予定
王懿律/黄東萍(中国) VS渡辺勇大/東野有紗(日本)

⦿対戦成績:王懿律/黄東萍が3勝0敗

3月の全英選手権の混合ダブルスで日本選手として初優勝したとき、渡辺/東野(WR13位)は「まぐれだと思われないように頑張る」と誓っていた。しかし、その後は優勝に届かず、6月のマレーシアオープンで3位に入ったのが最高。ところが今回、応援を背に準決勝まで勝ち上がり、実力を証明する絶好の機会を得た。

対戦相手の王懿律/黄東萍(WR2位)は中国の2番手。8月の世界選手権、アジア大会では、優勝を願う渡辺/東野の夢を打ち砕いた。渡辺/東野にとっては因縁の相手といえるだろう。なかなか手ごわい相手だが、希望がないわけではない。渡辺/東野はアジア大会、世界選手権とも最終ゲームまで粘っている。とくにアジア大会は、50分に及ぶ激戦だった。十分チャンスはある。今回こそ、という思いで日本のエースは戦う。




混合ダブルス② 10:00開始予定
世界ランキング1位とリオ五輪銀メダリストが対決!
鄭思維/黄雅琼(中国)VS チャン・ペンスン/ゴー・リューイン(マレーシア)

⦿対戦成績:チャン/ゴーが1勝0敗

世界ランキング1位の鄭思維/黄雅琼(中国)が、30歳&29歳のチャン・ペンスン/ゴー・リューインと対戦する。

チャン/ゴーは初めて組んでからすでに10年。2016年のリオデジャネイロ五輪では銀メダルを獲得している。鄭思維は「とにかく成績が安定。ネット際にどんなに厳しい球を落としても、徹底的にゴーが返してきます」と一目を置く。2018年7月のインドネシアオープンで初対戦したときは、チャン/ゴーがストレート勝ちした。チャン/ゴーは、世界の上位に多くのペアを送り込む中国ペアについて「多くの人材がいて、どの選手をどう組ませれば一番強いか、模索できることが彼らの強みだと思う」と打ち明ける。そんな中国の最強の組み合わせが鄭思維/黄雅琼だ。

そんな中国ペアにマレーシアペアは経験値で勝負する。「昔はスピードで押していましたが、いまは経験の蓄積で勝負できるようになっています」と話すのは、チャン・ペンスーン。明日は"パワー"VS"経験"のどちらが勝つかという勝負になる。



※選手の棄権、試合状況などにより開始予定時刻が早まる可能性があります。