注目のカード
準々決勝 9月14日(金)

現世界王者・桃田vsレジェンド・リン・ダン夢の対決が実現!世界最強サウスポー決定戦!
見逃せない戦いばかりの準々決勝!

男子シングルス① 11:40頃開始予定
桃田賢斗(日本) VS 林丹(中国)

⦿対戦成績:林丹が1勝0敗

バドミントンファンがもっとも見たかったであろうカードが明日、実現する。8月、世界王者になった桃田賢斗(WR4位)が、五輪を連覇したレジェンド・林丹(WR15位)と2015年3月の全英選手権以来、二度目の顔合わせをする。日本で2人が対決するのは初めてだ。

「林丹は子どものころから憧れてきた選手。ロンドンオリンピックのときは、相手に合わせながらプレーする感じになっていたけど、北京オリンピックのときの林丹は速くて、もう圧倒的で……。すごい、というしかなかった」万感胸に迫る表情で桃田は振り返る。同じ左利きとあって、壁にぶつかったときは、フットワークを見て参考にするなど、技術面でも様々なことを吸収してきた。

明日の林丹戦について桃田は「ムリに攻めると、自分が苦しくなるし、守りすぎると攻められる。出方を見ながら絶妙なタイミングを見計らって自分のプレーをしていきたい」と気持ちを高めている。

一方、林丹はこうだ。
「若くして世界王者になることがどれだけ簡単でないか、自分はよくわかる。桃田選手とは2015年に一度プレーしただけで、見ているだけでは今どんなプレーをするのか、よく分からない。いずれにしろ、全力で戦うだけです」

若い力が歴史を築いてきた者を突破するのか、それともレジェンドが若い力を押さえるのか。時代を象徴する歴史的な一戦はもうすぐだ。




女子シングルス① 15:00頃開始予定
奥原希望(日本) VS 陳暁欣(中国)

⦿対戦成績:奥原希望が1勝0敗

「陳暁欣選手(WR33位)は勢いがありますが、受け身にならなければ勝てると思います」

リオ五輪の銅メダリストで、昨年の世界王者、奥原希望(WR8位)はきっぱりとこう言った。積み重ねた自信と多くの修羅場での経験が、こう言わせているのだろう。どんなプレーで来られても、今の奥原は対処の仕方を持っているのだ。とはいえ、20歳の陳暁欣が持つ、フレッシュな強くなりたいという気持ちは侮れない。陳暁欣は2回戦で世界ランキング1位の戴資穎(チャイニーズ・タイペイ)を下す金星をつかんだ。170センチの細身で軽やかにコートを駆け、好機を見つけてはスマッシュ。存在感をアピールした。

奥原について陳暁欣は「コートを走れる足があるラリー型」という印象があるという。明日の対戦は「いつも通り自分らしくプレーするだけ」ときっぱり。中国選手は急激に成長することが多いだけに、そうなったときは奥原も手を焼くはずだ。




女子シングルス②
ラチャノック・インタノン(タイ) VS キャロリーナ・マリン(スペイン)

⦿対戦成績:インタノンが5勝2敗

世界選手権のタイトルホルダー同士が激突する。

インタノンは2013年、18歳のとき、史上最年少で世界選手権を制した。マリンは14年、15年、18年と3回、優勝している。さらにリオ五輪の金メダリストでもある。

そんな好カードは、ややマリンが有利かもしれない。というのも、今回、多くの選手が「この体育館ではラリーが長くなる」と話している通り、いつもならエースになる球もなかなか決められない場面が増えている。

インタノンは「ラリーが長くなると、どうしても球のスピードが落ちる。明日は、そうならないように気を付けなければならない」と警戒。マリンには、速く打ち続けられるパワーがあるのだ。

一方、3敗しているマリンは「明日はタフな試合になるはず。しっかり準備したい」と話している。「今日の試合がファイナルにもつれてよくなかった分、対策をするつもり」(マリン)。

マリンが優勝すれば2連覇、インタノンが優勝すれば初となる。




男子ダブルス① 17:15以降開始予定
陳宏麟/王齊麟(チャイニーズ・タイペイ) VS 金元浩/徐承宰(韓国)

⦿対戦成績:金元浩&徐承宰が1勝0敗

アジア大会で激突したばかりの2ペアがふたたび顔を合わせる。陳宏麟/王齊麟が世界ランク11位、金元浩/徐承宰が世界ランク29位と、順位的には差が大きいが、勢いがあるのは韓国ペアだ。2回戦、22歳&20歳の2人は、韓国らしい固いレシーブで、日本のエース、園田/嘉村を破ってみせた。明日もチャイニーズ・タイペイペアを元気に下すかもしれない。

とはいえ、チャイニーズ・タイペイペアは、8月の世界選手権で銅メダルを獲得し、地力を持っている。経験値の高い32歳の陳宏麟がネット前の司令塔として186センチの王齊麟のスマッシュを導くのが勝ちパターンだ。王はネット前のプレーも巧みで威圧感たっぷりに対戦相手の前に立ちふさがる。

組んで1年になる韓国ペアと、ペア歴4年のチャイニーズ・タイペイペア。"守"と"攻"のどちらが上回るか、見届けてほしい。 




女子ダブルス① 10:50頃開始予定
福島由紀/廣田彩花(日本) VS ジョンコルァン・キティタラクル/ラウィンダ・プラジョンジャイ(タイ)

⦿対戦成績:福島/廣田が5勝3敗

第1シードの福島/廣田(WR1位)がタイのダブルスエース・ジョンコルファン・キティタラクル/ラウィンダ・プラジョンジャイ(WR9位)を迎える。

2回戦が初登場となった福島/廣田。インドペアとの対戦は3ゲームにもつれた。苦いスタートとなったが、「今大会はラリーが長くなりやすい」という会場の特性はつかめたという。

「会場によって、ラリーが長くなりやすかったり、球が速くなって攻撃が決まりやすい会場があります。私たちは状況によって戦い方も変えていて、ラリーが長くなるのは得意なほうですね」(福島)

トーナメントでコンスタントに4強に入る力のあるタイペアについては「ガツガツくる印象。打ちながら勢いに乗ってくるタイプです。私たちはそうさせないためにどう配球するかという勝負になると思います」と、廣田は対策を立てている。

もし、福島/廣田が優勝すれば初。まだ見ぬ境地に至るため、準々決勝に挑む。




女子ダブルス② 17:50頃開始予定
松本麻佑/永原和可那(日本)VS 杜玥/李茵晖(中国)

⦿対戦成績:杜玥/李茵晖が1勝0敗

準々決勝は松本/永原(WR6位)と髙橋/松友による世界選手権の再戦が期待されたが、2回戦で中国の杜玥/李茵晖(WR12位)がタカマツをファイナルで下した。杜玥/李茵晖は「ずっと髙橋/松友ペアは私たちのあこがれ。2人が持っている技術や展開の引き出しの多さをすごいなと思い、何度もビデオを見て学んできました」と打ち明ける20歳&21歳だ。杜玥はパートナーについて、「スピードがあって、つなぎ球が上手」といい、李茵晖はパートナーについて、「ネット前に出てからのバリエーションをたくさん持っている」と語っている。

世界王者・松本/永原との対戦については、「スピードがある相手。挑戦者として学ぶつもりで1ラリー1ラリー戦うつもりです」と宣言。一時、低迷していた中国王朝を復興させる気合も十分だという。「今年は優勝が目標です」という松本/永原にとって李茵晖は無心でぶつかってくる手ごわい相手になりそうだ。




混合ダブルス① 11:40頃開始予定
渡辺勇大/東野有紗(日本) VS 保木拓朗/米元小春(日本)

⦿対戦成績:初対戦

準々決勝で日本対決が実現する。全英選手権優勝の渡辺/東野(WR13位)が昨年、準優勝した保木と、その新たなパートナー・米元を迎える。

保木/米元の世界ランキングは99位。この1年、2人で組んだ記録はないが、1回戦でデンマークペア、2回戦で世界ランキング9位のファイザル/ウィジャジャ(インドネシア)を突き放した。

保木は昨年、ほとんど練習していないなか廣田と組み、表彰台に上がった。本業の男子ダブルスで結果を残す前にミックスでメダルを獲得し、複雑な表情をしていたが、混合ダブルスに向いているのだろう。2年連続での好成績だ。

渡辺/東野は、日本のエースペアとして急造ペアには負けたくないところ。失うものが何もない保木/米元の無心のプレーをしっかり抑えてほしい。



※選手の棄権、試合状況などにより開始予定時刻が早まる可能性があります。