大会展望1
東京五輪会場で最強日本が世界強豪を迎え撃つ。
今年、戦いの舞台は東京オリンピック2020のバドミントン競技が行われる東京・調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザに移される。迫る2年後を意識させられる特別な場で、勝つのは世界最強に近づくJAPANか、超人揃いの世界か。誰が頂点をつかむのか、至高のバトルを見届けよ。
王者アクセルセンと復帰した桃田の同年対決に期待
世界各国・地域で27大会が開かれるHSBC BWFワールドツアー。『ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン』は、日本で唯一行われるワールドツアーで"Super750"に分類される伝統と格式が認められた大会だ。
そして今年は、戦いの舞台が2020年の東京オリンピックでバドミントン競技が行われる武蔵野の森総合スポーツプラザに移される。2年後を見据えての超人たちの熱いバトルがいよいよスタートする。
そんな新しい舞台の頂点にもっとも近いのは、昨年の男子シングルスの覇者ビクター・アクセルセン(デンマーク)だろう。しかし、今年に入ってその独走を阻む23歳の選手が現れた。日本の桃田賢斗だ。
急激に力を取り戻しつつある元世界ランク2位は、今年、アクセルセンほか、リオ五輪優勝のチェン・ロン(中国)らを下す活躍を収めており、今大会では「もちろん目指すのは優勝」と目標を掲げている。もし、アクセルセンとの同年対決が実現すれば、試合は間違いなくおもしろい。優勝争いには、最多の6回優勝を誇るリー・チョンウェイ(マレーシア)や、五輪を2度制したレジェンド、リン・ダン(中国)といったベテラン陣も絡んでくるはずだ。
女子シングルスも激闘が期待される。2017年女王のキャロリーナ・マリン(スペイン)や超攻撃型のプサルラ・V・シンドゥ(インド)、変幻自在に羽根を操るタイ・ツーイン(中華台北)らに、今大会で優勝実績のある山口茜、奥原希望、左腕の佐藤冴香らが対抗する。誰が勝ってもおかしくない緊迫した試合が連続するだろう。
日本連覇の期待がかかる女子ダブルス
ダブルスは、なんといっても女子ダブルスが日本のファンを喜ばせてくれる可能性が高い。2連覇3度目Vを狙う髙橋礼華/松友美佐紀、世界ランク2位の福島由紀/廣田彩花に加え、日本には、昨年末にスーパーシリーズ・ファイナルズで優勝した米元小春/田中志穂という実力者もいる。それぞれがインドネシアのポリー/ラハユ、中国のチェン/ジァといった難敵を下せれば、日本決戦も夢ではない。
男子ダブルスは、ここ1年で9勝を挙げているインドネシアのギデオン/スカムルヨがめっぽう強く、技巧派・ボー/モゲンセン(デンマーク)、角度ある攻めが光るツァン/リュウ(中国)らが追いかける構図になっている。日本のエース園田啓悟/嘉村健士、昨年2位の井上拓斗/金子祐樹がどう食い込むかが見物だ。
混合ダブルスにも、アーマド/ナトシール(インドネシア)、アドコック夫妻(イングランド)などの実力者がひしめく。全英王者の渡辺勇大/東野有紗もその一角で、そろそろ日本で存在感を示してもいい頃だ。
東京オリンピックの前哨戦として、いずれの種目も日本勢の意気込みは並大抵のものではない。世界と伍して戦うJAPANの熱闘を目に焼き付けてほしい。
※世界ランキングは7月12日付け