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観戦記事
決勝

男子シングルス

世界一のマッチアップ、レジェンドを破った世界王者がジャパンオープン制覇
ビクター・アクセルセン(デンマーク) 21-14 / 19-21 / 21-14 リー・チョンウェイ(マレーシア)

DAIHATSU YONEX JAPAN OPEN 2017を締めくくる男子決勝戦。その舞台に相応しく世界選手権チャンピオンにしてランキング1位のビクター・アクセルセン、この大会6度の優勝を誇るザ・レジェンド、リー・チョンウェイによる真の頂上決戦となった。

第1ゲーム、ゆるやかな立ち上がりを見せた準決勝までとは違い、リー・チョンウェイはファーストラリーから力を込めたスマッシュを放つ。これを凌いで、自身の角度あるスマッシュを次々に沈めたアクセルセンが序盤から6連続得点を奪うなど先行する展開で、16-7と大量リードを奪う。対するチョンウェイは得意のラリー戦で対抗するが、序盤の優位性を生かしたアクセルセンが21-14として先取する。

第2ゲームに入ると、チョンウェイは早くもスピードを上げる。互いにコートの中で長い距離を走るラリーで点数の取り合いが続く。チョンウェイは配球の中でチャンスと見るやタッチを速めて甘い球を上げさせ、サイドライン際にスマッシュを沈めて7連続得点、ペースを握る。「点差があってもチャンスがあると思った。」というアクセルセンは攻めの姿勢を崩さないラリーで追いすがるも、好機でプッシュをバックアウトしてしまい、チョンウェイが21-19でゲームを奪い返した。

運命のファイナルゲーム、トーナメントの戦い方を誰よりもよく知るチョンウェイが有利かと思われたが、そんな大衆の予想を覆すがごとくアクセルセンが躍動する。相手をハイバックの体勢にさせたところからのショット・コースの読みが冴え、一気に攻撃にスイッチ、ゲームの主導権を握る。「ゲームのペースを変えてきたことでリードされてしまった。点差がついたことでますます自信を持ってプレーされてしまった。」とチョンウェイが語る通り、アクセルセンはスピード、ショットの切れ共にベストなパフォーマンスを発揮する。相手を寄せ付けない圧巻のプレーでの数々に、会場に詰めかけた観客は大きな盛り上がりを見せる。最後はアクセルセンのクロススマッシュが相手コートに突き刺さり21-14、両手を大きく広げて歓喜のジャパンオープン初優勝を決めた。


女子シングルス

復調のジャパンオープン制覇、強い金メダリストが帰ってきた
キャロリーナ・マリン(スペイン) 21-23 / 21-12 ヘ・ビンジャオ(中国)

昨年のリオオリンピック金メダリストはこの大会連覇を目指すディフェンディングチャンピオンのヘ・ビンジャオ選手と対戦。左利き同士の対戦に注目が集まる。

第1ゲーム、マリンは後ろからの強打を軸にサイドラインに打ち込み、決まるとおよそ6,000人の観衆が入った東京体育館に響くほどの声を張り上げ自分を鼓舞する。一方のビンジャオは前で崩して攻め込むという形で、また、あまり前に感情は出さない対照的な2人。終盤まで互いに譲らず一進一退の攻防が続く。先にゲームポイントを握ったのはビンジャオだったが20-19の時、マリンがラウンド側に上げたロブをビンジャオが見送るがインの判定、チャレンジするもオンラインで覆らず試合を決めきれない。最後はビンジャオが3連続ミスし、23-21とマリンが第1ゲームを先取する。

第2ゲーム、マリンは四隅を正確につきミスを誘い相手を翻弄する。ビンジャオの鋭いクロスヘアピンにしっかり足を動かして対応、前が得意な相手に隙を見せない。「セカンドゲームは相手が『この人には勝てない』と思わせるようにと、自信を持ってプレーができ、やる気を削ぐことができた。」と語るように10連続ポイント奪い18-4と圧倒する。ビンジャオも追い上げを見せるが最後はスマッシュレシーブがネットにかかり21-12と、キャロリーナ・マリンが1ゲームも落とさず完全優勝を果たした。


試合後マリンは、「とてもタフな試合だった、最初からミスをしないようにしてファーストゲームを取得することが大事だと考えたので先取することに執着した。オリンピック終わってから苦しい状態が続き調子の悪い時期が続いたが、ミスから学ぶことも多くそれを踏まえ練習していた。」と、2015年の香港オープン以来2年ぶりのスーパーシリーズ優勝となった要因を語ってくれた。


男子ダブルス

スーパーシリーズ決勝戦の経験は今後の糧に、井上/金子の新たな挑戦がここから始まる
マルクス・フェルナンディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア)21-15 / 21-12 井上 拓斗/金子 祐樹(日本ユニシス)

この種目では日本勢として初めて決勝戦の舞台に立つ井上/金子ペアは、世界ランキング2位の素早い動きと抜群のコンビネーションが持ち味であるマルクス・フェルナンディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョペアと対戦した。

第1ゲーム、序盤、井上/金子はギデオン/スカムルジョの早いラリーにラケットを合わすことができず、また、前に入ろうと打った球も浮いてしまい叩かれるなど連続失点を喫してしまう。「決勝の舞台に緊張はしなかったが、相手のうまさについていくことができなかった。」と話すように相手のラリーペースで試合が進んでしまいミスを重ねてしまう。9-13の場面では3連続でサーブから3本目まででのミスが続きラリー展開にすら持ち込めない状態が続く。最後はスマッシュを警戒して後ろで構えていたところにドロップショットを決められ、このゲーム15-21と落としてしまう。

第2ゲーム、第1ゲーム同様速い展開の前に井上/金子は自分たちのプレーができない。
「対策を練って試合に臨んだが、それがうまくいかず封じ込まれたことでズルズルといってしまい、切り替えることができなかった。」と試合後反省を口にした井上/金子ペア。一方、ギデオン/スカムルジョはスマッシュをセンターだけでなく右に左に打ち分け、的を絞らせない攻めで得点を重ねていく。終始、ギデオン/スカムルジョのペースで試合は進み、最後は井上のスマッシュがネットにかかり12-21とこの日本勢の快挙とはならなかった。

試合後、井上/金子は「今回の大会はスーパーシリーズという世界大会で決勝に進めたということは大きな収穫だった。」と話し、今後の目標について聞かれると「12月の全日本総合で優勝し、日本一を勝ち取ること。そして再びスーパーシリーズの決勝の舞台に立てるように頑張りたい。」と打倒ソノカムとさらなる前進を誓った。

一方のギデオン/スカムルジョもこの種目4年ぶりのインドネシア勢の優勝に喜びを見せ、
「最高のプレーをすることが常に目標をしている、ここ最近負けが続いていたので今後に向けても非常に意味のある勝利だと思う。」と優勝に満足げな様子だった。


女子ダブルス

3年ぶりの優勝で会場の声援に応えたタカ・マツ。進化は止まらない。
髙橋 礼華/松友 美佐紀(日本ユニシス) 21-18 / 21-16 キム・ハナ/コン・ヒヨン(韓国)

決勝戦のオープニングゲームとなったこの試合、3年ぶり2回目の優勝を狙う髙橋礼華/松友美佐紀が7歳差の韓国新生ペア、キム・ハナ/コン・ヒヨンが対戦した。決勝戦にふさわしい高レベルなラリーの応酬に観客は引き込まれ、静寂の中でシャトルの音だけが聞こえる緊張感ある空間となった。

第1ゲーム、両ペアレシーブ力が高く長いラリーとなるが、後衛に髙橋、前衛に松友の得意のパターンに持ち込んで5連続ポイントを奪い、髙橋/松友が抜け出す。しかし、女子ダブルス、混合ダブルスで確かな実績を持つキム・ハナが巧みな前衛でロブ上げさせると、20歳のコン・ヒヨンが強打で決めていく。追いつかれ、逆転され苦しい展開となる。試合が動いたのは、15-17。髙橋のスマッシュのリターンに松友が素早く反応し前でリズムよく決めて流れをぐっと引き寄せる。結局は6連続ポイントでゲームポイントを握り、松友がスマッシュを決めて21-18とした。

第2ゲームに入っても長いラリーが続くが、髙橋/松友がアタックレシーブ、リターンを前後左右に打ち分け、韓国ペアを走らせる。その成果か、20歳と経験の少ないコン・ヒヨンにドライブやネットのミスが出始める。序盤の4連続ポイントで7-5とするとその後詰め寄られるも要所を押さえた髙橋/松友が落ち着いたプレーで21-16として優勝を果たした。

試合後、「初めてスーパーシリーズを優勝したこの大会、3年ぶりの優勝をたくさんのファンの前でできてよかった。応援ありがとうございました!」と松友が会場のファン、声援に感謝を満面の笑みで応えた。また、プレー面では、髙橋は「後ろから打っていても相手の選手の位置をしっかり見てからコースを打ち分けられるようになったし、松友が後衛になっても焦らずにゆっくりとスムーズに自分が後衛に入れるようになってきている。」、松友は「ゲームの展開を見極めて、相手のペースを上げさせたり、相手をどういう風に動かせたり、相手をどう崩して、どうスペースを使っていくか、ゲームメイクを意識している。」と確かな手ごたえを語った。

一方の韓国のキム・ハナは「昨日の相手(福万 尚子/與猶 くるみ(ヨネックス))より守備力が高かった。守備が安定しており、体力もあった。もっとミスをしてくれればチャンスがあった。」と話せば、コン・ヒヨンは「キム・ハナ選手から焦る気持ちを抑えることを学んだ。」とさらなるレベルアップに向けて決意を語った。


混合ダブルス

中国の22歳ペア、盤石なゲームメイクでスーパーシリーズ初制覇
ワン・イルユ/ファン・ドンピン(中国) 21-13 / 21-8 保木 卓朗(トナミ運輸)/廣田 彩花(再春館製薬所)

今からちょうど3か月前、オーストラリアオープンで産声を上げた保木卓朗/廣田彩花ペアが今大会台風の目として席巻、予選から計6試合に勝利し、決勝の舞台に登場した。相手は中国のワン・イルユ/ファン・ドンピン組、世界ランキングも9位と上位プレーヤーであり、保木/廣田は今日も下馬評を覆せるかが注目された。

これまでの勢いのままに立ち向かいたい保木/廣田であったが「相手のサービス周りが巧くて思うようにゲームを作れなかった。」と廣田が振り返ったように、ゲーム開始早々、サービス周りの攻防で劣勢となってしまう。ラリーの入り口から優位に立った中国ペアが自在のアタックで11-6とリードを奪う。ここから保木/廣田も粘りのラリーを制したことを皮切りに攻めの形を作って3連続得点をあげるが、相手の背中は遠い。スピードを上げたワン・イルユ/ファン・ドンピンが一気に攻めたてて21-13と第1ゲームを奪う。

第2ゲームも中国ペアが実力を存分に見せつける。「球を上げさせられず、速いドライブに引いてしまい、押し込まれてしまった。」と保木が語るとおり、ワン・イルユの鋭いドライブを起点にアタックの形をつくる。相手を下げさせたことで、低い球はファン・ドンピンが前衛で確実に止め、上がってきた球はワン・イルユが長い滞空時間から強力なスマッシュ、意表をつくドロップを沈めて得点を重ねていく。流れを引き渡すことなく21-8としたワン・イルユ/ファン・ドンピンが嬉しいスーパーシリーズ初優勝を決めた。


試合後の優勝記者会見ではワン・イルユが「自分たちは中国チームで上位ではないので、まずは上位に勝てるように頑張っていきたい。」と話せば、ファン・ドンピンは「こうした大会でもっと沢山強い選手と試合をして、この先1位を狙いたい。」と秘めたる思いを語ってくれた。

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