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観戦記事
2回戦
男子シングルス
若き覇者、圧倒的なアタックで同年代西本の挑戦を退ける
ビクター・アクセルセン(デンマーク) 21-17 / 21-18 西本 拳太(トナミ運輸)
日本男子のエース西本拳太がリオオリンピック銅メダリスト、世界選手権覇者のビクター・アクセルセンと対戦した。1年半ぶりの対戦であり、成長著しい西本がどこまでやれるか注目が集まった。
第1ゲーム、ビクター・アクセルセンが194㎝の長身をフルに活かした上からのショットで西本に襲い掛かる。対応できない西本は5-12と苦しい展開となる。西本は我慢強くラリーしてからスマッシュ、ドロップの緩急を織り交ぜながら崩して必死に食らいついていくが、ビクター・アクセルセンのアタック力を前に17-21で奪われてしまう。
第2ゲームも同様、ビクター・アクセルセンが圧倒的なアタック力で抜け出す。しかし、「挑戦者のとして泥臭くラリー勝負していきたい。」と話していた西本がラリーでしのいでからスピードを上げてスマッシュを放つメリハリのあるプレーで対抗する。「自分のプレーを出せた通用した部分もあったが、前半の点の取り方相手のほうが上手だった。」と追い上げを見せるも18-21でビクター・アクセルセンに奪われてしまった。
試合後、西本は「やっぱりこのホームでまた来年はもう一つ、もう二つ上に勝ってできるようになりたいと強く思いました。」とさらなる飛躍に向けて決意を語った。
7度目の優勝を目指すリー・チョンウェイ、接戦も地力の差を垣間見せる
リー・チョンウェイ(マレーシア) 22-20 / 21-17 トミー・スギアルト(インドネシア)
昨年、前人未到の6度目の優勝を果たしたリー・チョンウェイが、世界ランキング30位のトミー・スギアルトと対戦した。
過去の対戦成績はリー・チョンウェイが15戦15勝である。
第1ゲーム、リー・チョンウェイは出だしから素早い動きを見せ、ライン際への正確なショットを次々に放つが、トミー・スギアルトも粘りを見せチョンウェイに必死に食らいつく。中盤、我慢のラリーから気迫の強打に繋げたスギアルトが6連続得点を奪って13-10と逆転、その勢いのままに3点リードでゲームポイントを迎えたが、ここで終わるチョンウェイではなかった。1球1球丁寧に繋いでいき、4点をひっくり返し22-20で1ゲーム先取した。
第2ゲーム、互いに点を取り合い8-8と接戦模様となる。スギアルトは1ゲーム目よりも積極性を増し、果敢な攻めで相手に打たせないようにしていた。チョンウェイの卓越したラリー力を前に、スギアルトのミスが増えていく。終盤、重要な場面でスピードを上げてクロスショットを沈めたチョンウェイが突き離し21-17、対スギアルト16連勝を達成した。
リー・チョンウェイは試合直後、「昨日よりは良くなっている。1日1日良くなっているとも思っている。」とのこと。また、2ゲーム共に序盤追いかける展開からの試合だったことについては、「点をどうやって取ろうかではなく、とにかく自分の中では1球ずつ決めて得点していくことを考えながら戦った。」と実績あるベテランらしい心の持ち様を教えてくれた。
29分の快勝劇、スリカンスの勝利に成長の手応えあり
スリカンス・キダンビ(インド) 21-12 / 21-11 フー・ユン(香港)
世界ランキング8位のスリカンス・キダンビは世界ランキング24位のフー・ユンと対戦した。過去に4戦しており、対戦成績は2勝2敗であった。今日の試合、両者にとって負けられない試合となった。
第1ゲーム、序盤はフー・ユンが繰り出すハイバックからの多彩なショットにスリカンス・キダンビのネット前ショットミスが目立ち、フー・ユンが7-4とリードを奪う。しかし、スリカンスは相手のボディーに球を集め、レシーブの甘くなった所で正確なショットを沈め、一気に逆転、とどまることなく点差を広げていく。その結果、21-12でスリカンスが先取した。
第2ゲーム、スリカンスが積極的に鋭いショットを使い、早くから主導権を握って11-5とする。フーも必死に追いつこうとコートを広く使い、相手を動かしにかかるが、相手が一枚上手だった。スリカンスは巧みなラリーで終始翻弄し、21-11と快勝で次戦に駒を進めた。
スリカンスは試合直後のインタビューで、「今日はラリーが上手くいってよかった。今までやってきた自分のスタイルを変え、新しいことにチャレンジしたことで成長に繋がっている。」と充実感を漂わせた。
女子シングルス
迷わぬプレーで自分を貫いた奥原、ファンの声援を背に宿敵下す
奥原希望(日本ユニシス) 21-18 / 21-8 プサルラ・V・シンドゥ(インド)
8月の世界選手権(奥原優勝)、先週の韓国オープン(プサルラ・V・シンドゥ優勝)の決勝戦の再戦となった。いずれもファイナルゲームの接戦であり、タフな試合が予想された。
第1ゲーム、シンドゥは長い手足を生かした角度あるスマッシュ、豊富な運動量とクリア、スマッシュ、カットの多彩なショットで譲らない。昨日の1回戦は、奥原は2-0のストレート、シンドゥは三谷美菜津(NTT東日本)との64分ものファイナルの接戦の疲れからか、11-11の大事な場面でシンドゥの最後の一歩が出ず、ノータッチが2連続、勢いのままボディへのスマッシュなどで15-11とする。しかし、シンドゥに前後に動かされ5連続ポイントで15-16と逆転される。一進一退の緊張感ある展開に会場は息をのむ。「自分が迷わず自分のプレーをしたことが相手に少しプレッシャーを与えたと思う。」と奥原が振り返ったように4連続でプサルラ・V・シンドゥがミスをしてしまう。最後は奥原のクロススマッシュのリターンをプッシュで決めて21-18。会場からは「奥原」コールで盛り上がる。
第2ゲーム、会場からの声援を受けた奥原がスタートダッシュを見せる。四隅に素早く正確にシャトルを運び、ミスを誘い、9-2と大量リードを奪う。思い通りのプレーができないプサルラ・V・シンドゥは気持ち的に苦しそうで集中力を欠いてしまう。一方の奥原さらに集中力を高め、プサルラ・V・シンドゥの上からのショットに素早く反応して、前でリターンすることで連続攻撃をさせない。結局は21-8で奥原が勝利した。
試合後、奥原は「ファンの皆さんの前で自分らしいプレーができたこと、映像でなく生で見に来てくれたのがうれしい。昨日よりよくなっている。今日の修正を明日していきたい。」と語った。
焦らず自分のプレーを信じた髙橋がリベンジを果たす!
髙橋 沙也加(日本ユニシス) 21-13 / 17-21 / 21-13 川上 紗恵奈(北都銀行)
世界ランキング23位の髙橋沙也加と同19位の川上紗恵奈が対戦した。最後の対戦は7月の全日本実業団で、軍配は川上に。髙橋としてはなんとしても勝ちたい一戦となった。
168cmの髙橋は切れ味のある上からのショットでのアタック、一方の160㎝の川上は豊富な運動量でコートを駆け回る粘りのプレーを武器としている。第1ゲーム、髙橋のスマッシュ、ドロップの左右の打ち分け、特にネット前から奥への低い球での揺さぶりに川上はついていくことができない。髙橋は序盤の4連続ポイントで7-2とリードを作れば、そのまま21-13と簡単に奪う。
第2ゲームは、川上の素早いプレーで2-6とリードされるが、そこからお互い点を取り合うも、川上のポイント先行でゲームが進む。追いかける展開の中、「攻めの形を作って、楽しくできていたが、ミスが出てしまった。」と髙橋が振り返ったように川上の粘り強い守りによってあと一歩のところで追いつけず17-21で落としてしまう。
ファイナルゲーム序盤、点を取り合うが、「川上とは3連敗中で失うものはなかった。勝つためにコーチと作戦を練ってきた。攻め急がないようにクリアを使うように意識した。プレッシャーもなく自分らしいプレーができた」という髙橋は、相手のショットについて行きながらも、ラリーの大事な局面でも冷静にクリアを起点とした攻めで相手を崩していく。高橋のショットが次々と決まり、第1ゲーム同様連続ポイントで相手を突き離し、21-13で奪った。
試合終了後、髙橋は「今日は自分らしいプレーできた、明日はそうはいかないが去年の結果を超えるベスト8以上を目指す」と意気込みを述べた。
男子顔負けのスピード&パワー、キャロリーナ・マリンが貫録のスマッシュショー
キャロリーナ・マリン(スペイン) 21-16 / 21-13 サイナ・ネワル(インド)
昨年のリオオリンピック金メダリストのキャロリーナ・マリンが、先月の世界選手権3位のサイナ・ネワルとの一戦に臨んだ。
開始早々、172cmと165cm、女子選手としては恵まれた体格の2人による迫力あるラリーが繰り広げられる。第1ゲーム、先に仕掛けたのはマリンだった。素早くシャトルの下に入って強力なスマッシュを中心に攻撃的なラリーを展開していく。サイナはディフェンスから攻撃的なレシーブを駆使して応戦、女子シングルスらしからぬ低空のスピード感溢れるラリーでゲームは進んでいく。マリンは9-9の場面からショットに狂いが出て、最大4点のリードを許すが、2打目、3打目には強打を放つ積極性で次々にシャトルを沈め、ミスを取り返す。圧倒的なアタックに加え高いポジションでのネットショットでサイナを振り切り4連続、5連続と連続得点を重ね、21-16としてこのゲームを奪った。
第2ゲームも打ち込むマリン、リアコートに押し込んでチャンスを待ちたいサイナという構図のラリーが多く展開される。サイナの厳しいドリブンクリアーに苦しめられ、真っ向からは簡単には決めきれないマリンであったが、ネット前でクロスショットを有効に使い相手を崩して得点に繋げていく。サイナは徐々に自分のラリーが出来なくなり、後半はマリンの独壇場となる。意表を突くドロップ、サイドラインに突き刺さるスマッシュと、持てる力を存分に発揮したマリンが12-13と圧倒し、注目の対決を制した。
試合後マリンは「怪我をして以来なかなかいい状態に持ていくのは難しいが、ここのところは調子もいい具合にきている。明日の山口との対戦は楽しみだし、タフな試合になると思う。今の100%の力を出して戦いたい。」と晴れ晴れとして表情で語ってくれた。
男子ダブルス
エースの自覚、抜群のコンビネーションで園田/嘉村が実力派のペアを撃破
園田 啓悟/嘉村 健士(トナミ運輸) 21-19 / 21-18 リム・キムワー(マレーシア)/ユ・ヨンソン(韓国)
8月の世界選手権で銅メダルを獲得した日本の絶対的エース、世界ランキング4位の園田啓悟/嘉村健士はリム・キムワー/ユ・ヨンソンと対戦した。ユ・ヨンソンは2014年、2015年は別のペアリングで優勝の実績がある。
第1ゲーム、「(一回戦が相手の棄権のため、)今日が最初の試合だったので、『入り』を特に気をつけた」という園田/嘉村が最初からスピード全開で得意のドライブ展開に持ち込む。スピードに対応できないリム・キムワー/ユ・ヨンソンを攻めたて、17-13とリードをする。「後半少し力んでしまった。」と嘉村が振り返ったようにネット前に簡単なミスなどで20-19と詰め寄られるも、リム・キムワーのロングサービスがフォルトで21-19と園田/嘉村が追撃をかわした。
第2ゲームも低空戦で園田/嘉村が抜け出すが、リム・キムワーが前衛で素早く反応してタッチすれば、後衛からの連打に定評のあるユ・ヨンソンが強打で盛り返していく。一時は11-13とリードを許すが、受け身にならず、自分たちのスタイルを貫いた園田/嘉村が5連続ポイントで逆転すると最後は園田がスマッシュで決めて21-18でベスト8入りを果たした。
試合後、嘉村は「女子ダブルスはベスト16に10組も入っているので、自分たちも面白いプレーをして注目してもらいたい。明日は長身のロシアペアだが、得意の低空戦で向かっていきたい。」と意気込みを語った。
世界トップとの差を肌で感じた若手エース、今後の成長に期待。
マルクス・フェルナンディ・ギテオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア) 21-13 / 11-21 / 21-18 保木 卓朗/小林 優吾(トナミ運輸)
世界ランキング20位の保木卓朗/小林優吾が同2位のマルクス・フェルナンディ・ギテオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョと対戦した。保木/小林は昨日の1回戦では格上の中国ペアに初勝利の金星を奪っているだけに、過去0勝4敗のこのインドネシアペアに対しても下剋上の期待が高まった。
マルクス/ケビンはインドネシア独特の柔らかいタッチでのドライブよりもしなやかに体全身を使った打点の高いジャンピングスマッシュからの連打、ローテーションを得意としており、第1ゲームでは出だしの固さの残る保木/小林に対してその力を発揮、終始容赦なく攻めたてで、21-13で奪う。
第2ゲーム、「1ゲームはいい流れだったが、2ゲーム目リズムが崩れてくれしまった。」というインドネシアペアはミスが重なり、11-21と簡単に落としてしまう。
ファイナルゲームはお互いに見せ場を作り、点を取り合うが、10-10からインドネシアペアが4連続ポイントでリードを奪い、結局はそのリードを守り切り、21-18とした。
試合後、惜しくも敗れた小林は「勝つチャンスはあった。4月のシンガポールオープンの対戦よりも差が縮まった。」と悔しさと手ごたえを感じるも、保木は「簡単に点を取られてしまった。実力の差を感じた。」と課題を口にした。
結果を求め邁進する井上/金子、ホームの声援を受けてストレート勝利を掴む
井上 拓斗/金子 祐樹(日本ユニシス) 21-19 / 21-19 ファジャル・アルフィアン/ムハマド・リアン・アルディアント(インドネシア)
世界ランキング18位の井上/金子は、世界ランキング17位のファジャル/ムハマドと対戦した。ランキング上位ながら過去の対戦成績は井上/金子が2勝0敗と相性のいい顔を合わせ、スーパーシリーズでの上位進出に闘志を燃やす井上/金子にとってはいい形でパスしたい大事な一戦である。
第1ゲーム、8-8までは両者とも譲らない展開となる。井上/金子はテンポよいアタックに加え、カットスマッシュを有効打にするなどしてレシーブを崩していく。一方、インドネシアは得意のドライブから角度のあるジャンピングショットで対抗する。ゲームポイントに近づくにつれ、井上/金子はドライブを使った低い展開に持ち込み相手のミスを誘って21-19と先取した。
第2ゲーム、井上は積極的にフロントコートに飛び出し、ネット前で浮いた球を叩く。対するインドネシアはサイドラインやハーフへの巧みな配球で甘いリターンを誘ってはしっかり沈めていく。18-15とファジャル・アルフィアン/ムハマド・リアン・アルディアントのリードだったが、金子のスマッシュでレシーブを崩され甘いリターンを前に素早く入った井上に決めて勢いに乗る。2度の3連続ポイントで逆転し、21-19で井上/金子が準々決勝進出を果たした。
世界の頂点を見た者たちの試合、ボー/モゲンセンが快勝劇を見せる
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク) 21-8 / 21-13 ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)/タン・ブンホン(マレーシア)
ビッグネームばかりの豪華な一戦となった。それぞれ世界の頂に君臨した経験を持つヘンドラ・セティアワン(インドネシア)とタン・ブンホン(マレーシア)のペアと、現世界ランキング1位のマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク)がネットを挟んで対峙、バドミントンファンにとっては非常に楽しみなカードとなった。
第1ゲーム、持ち前の強打を次々に決めていったのはボー/モゲンセン。今やベテランとなった2人は持ち前の角度ある強打に加えて、円熟味を増したレシーブ配球で相手を揺さぶる。百戦錬磨のセティアワン/タンも読みを冴えわたらせ、激しい打ち合いを演じるが、ボー/モゲンセンはそのさらに上を行く。12-8からは圧巻の9連続得点、終始スマッシュで圧倒したボー/モゲンセンが21-8で先取した。
第2ゲーム、ボー/モゲンセンは引き続き圧倒的な攻撃を浴びせる。低い展開に持ち込みたいセティアワン/タンの強いドライブにも素早く反応し、上から球を抑え込んで主導権を渡さない。ボーのスマッシュはゲームが進むにつれてキレを増し、決定力を上げていく。リターンされてもモゲンセンが前衛で沈める盤石の態勢で攻めたてる。結局21-13としたボー/モゲンセンが31分のスピードゲームで勝利した。
女子ダブルス
3年ぶり2度目の優勝に向け、我慢のラリーをものにする!
髙橋 礼華/松友 美佐紀(日本ユニシス) 21-15 / 14-21 / 21-15 グレシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア)
リオオリンピック金メダリスト、世界ランキング1位の髙橋礼華/松友美佐紀がインドネシアのグレシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユと対戦した。先週の韓国オープンで対戦しており、髙橋/松友が2-0のストレートで勝利している。
第1ゲーム、お互いの出方を伺う静かな立ち上がりとなる。固いレシーブから攻めへの転じ方で一日の長の髙橋/松友が連続得点で徐々にリードを奪っていく。インドネシアペアは我慢強くリターンし、長いラリーが繰り広げられる。苦しい中、髙橋/松友はラリー後半でも動きが衰えることなく、甘くなったところでしっかりと決めて21-15とする。
第2ゲーム、「技術・作戦、特にメンタル面で最善を尽くした。」というインドネシアペアはスマッシュを大きく後ろまでリターンし、前衛に触らせず甘くなるのを待つ。19歳のアプリヤニ・ラハユは女子では珍しいジャンピングスマッシュで強打し、髙橋/松友のリターンを前衛がストップし前後に揺さぶりをかける。いつものテンポ良い攻撃を封じられた髙橋/松友は元気なく、12-21で奪われてしまう。
ファイナルゲーム、お互いに点を取り合うも、2ゲームまでで約60分動き続けたインドネシアペアに疲れが見られ、髙橋のスマッシュのリターンが大きく返せず、「簡単な相手とは思っていなかったが、最後は自分たちの形にできてよかった。」という松友が前で捕まえる得意のパターンで6連続ポイントを奪うなどして11-5とする。見ているだけで疲れるような長いラリーの連続となるが、気持ちを切らさなかった髙橋/松友が21-15とし、88分に渡った接戦を笑顔で称えあった。
混合ダブルス
戦術に抜かりなし、インドネシアペアが納得のファイナルゲーム制圧
パラフィーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア) 29-27 / 16-21 / 21-12 サトウィクサイラジ・ランキレッディ/アシュウィニ・ポンナッパ(インド)
世界ランキング7位で先週の韓国オープン優勝のパラフィーン・ジョーダン/デビー・スサントとインドのサトウィクサイラジ・ランキレッディ/アシュウィニ・ポンナッパが対戦した。サトウィクサイラジ・ランキレッディは6フィート(183㎝)で17歳の若手急成長の勢いのある選手である。
第1ゲーム、インドネシアペアは特有の高い技術と強気の前衛を発揮するも、長いリーチのサトウィクサイラジ・ランキレッディに低いショットにも飛びついて強打され、5連続ポイントを許すなどして4-10と先行されてしまう。インドネシアペアはスピードを上げて左右に動かして徐々にリズムを取り戻していくが、前半のビハインドが響き、ゲームポイントをインドペアに握られてしまう。
しかし、そこは世界ランキング上位の意地を見せる。ドライブを中心とした低いラリーで相手に攻撃のパターンを作らせず、ミスを誘う。追い上げられてサトウィクサイラジ・ランキレッディがネット前にあがったリターンをネットにかけてしまい、4連続ポイントで20-20と延長ゲームになる。お互い一歩も譲らず点を取り合うも、「しっかり集中できた。」と振り返ったインドネシアペアが29-27で奪う。
第2ゲーム、インドペアのアタック力が勝り、7-9と3連続ポイントを失うと、インドネシアペアは追いかける苦しい展開となる。攻められて守ってしまい、攻めの形を作れなかったインドネシアペアが見せ場を作れず16-21で奪われてしまう。
ファイナルゲームに入ると、「5月のスディルマンカップインド戦でチームメイトがこの相手と対戦して負けてしまった試合を観て、対策を立ててきた。」というインドネシアペアはドライブを中心に早いタッチで攻めの形を作って、序盤から主導権を握る。スピードを攻めたて21-12で奪い、準々決勝進出を果たした。