明日の見所

9月3日の見どころ(準決勝)

*世界ランキングは8月30日現在

男子シングルス
世界選手権の快挙をもう一度!
西本拳太が世界3位と再戦

 西本拳太(WR21位)の快進撃が今日も止まらない。準々決勝で桃田賢斗(WR2位)を1回戦で下したチコ・オーラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア WR35位)を3ゲーム18本で撃破。3ゲーム18オールからドライブ戦をモノにしたハートの強さが見事だった。

 準決勝は、世界選手権の1回戦で退けた世界3位のアンダース・アントンセン(デンマーク)と対戦。リベンジに燃える攻撃型をふたたび突き放すのは簡単ではないが、西本は「ベストを尽くす」と強い決意を明かしている。

 対するアントンセンもまた「日本選手は本当に粘り強い。ですが、もちろんリベンジするつもりです」と負けるつもりはない。明日は互いの気迫がぶつかり合う熱戦が待っている。

【明日への抱負】

西本拳太「明日、勝たないと優勝は見えてこない。ベストを尽くすのみです」

アントンセン「タフな試合になるでしょう。簡単ではありませんが、勝つつもりです」

対戦成績=アントンセンが7勝2敗

32歳のベテラン周天成と
ケガから復帰の石宇奇が打撃戦を展開か

 もう一方の準決勝は激しい打撃戦になるか。チャイニーズ・タイペイの周天成(WR4位)と、先週の世界選手権でケガからの復帰戦を飾った中国のエース石宇奇(WR22位)はともに長身のアタッカー。2019年以来、8回目の対戦で迫力ある打ち合いが期待できる。

 コンディション的に分がいいのは、2回戦からすべてストレート勝ちの石宇奇。世界選手権で銅メダルを獲得した周天成は、この2週間で8試合を戦い、うち5試合がファイナルゲームだった。H. S. プラノイ(インド WR18位)との準々決勝でも3ゲーム22―20の激戦を展開し、最後は「体力、気力をしぼりだせ!」と自分に言い聞かせ、白星をつかんだ。

 準決勝もこの32歳のベテランは、感動的な心身たくましさを見せてくれるはず。世界トップへの返り咲きを狙う石宇奇も、周天成のタフネスぶりを警戒し、次戦に備えてくる。

【明日への抱負】

石宇奇「ケガから完全復活しているわけではありませんが、コンディションは悪くない。1点1点集中して戦います」

周天成「明日も体力、気力を絞り出して戦います」

対戦成績=石宇奇が5勝2敗


女子シングルス
世界選手権決勝の再戦
山口が優勝に王手をかけるか

 世界選手権で2連覇した山口茜(WR2位)が絶好調だ。準決勝では、ここ4試合、ファイナルゲームにもつれていたタイのポルンパウィ・チョチュウォン(WR10位)にストレート勝ち。スーパーレシーブをいくつも連発し、山口は「いい反応ができている」と、調子のよさを実感している。

 対する陳雨菲(中国 WR4位)のコンディションもよさそうだ。「1年前の東京五輪ほどではないですが、調子はいいです」と明かし、明日も得意のラリー戦を仕掛けていくつもりだ。

 一方、長丁場に持ち込みたくない山口は、「自分からラリーをつくっていきたい」とクリアーを多用する陳雨菲の術中にはまらない戦略を模索している。

【明日への抱負】

 山口茜「相手のラリーを1本我慢し、自分からラリーをつくっていきたい。(陳雨菲はリベンジしたいかもしれないが)気にせずに戦いたいです」

 陳雨菲「山口選手は、スピードと攻撃力があるタフな人。明日は、山口選手からいろいろ学ぶつもりで対戦したい。世界選手権でなぜ敗れたのかしっかり分析して挑むつもりです」

対戦成績=山口茜が14勝8敗


男子ダブルス
デンマークVS韓国は
ベテラン対決!

 次々と優勝候補が姿を消す波乱の男子ダブルスは、準決勝に意外な伏兵たちが勝ち上がってきた。

 下の山から勝ち上がってきたのは、「今大会が国際大会5大会目」という21歳の王昶/梁偉鏗(中国 WR88位)と、「今年4月から本格的に組み始めた」という催率圭/金元昊(韓国 WR34位)。対戦成績は中国が1勝でどちらが勝ってもフレッシュな決勝進出となりそうだ。

 また、一方の山で、秘めた力を発揮したのは、リザーブで繰り上がってきた世界ランキング82位の金基正/金沙朗(韓国)。32歳&33歳は、第1シードのギデオン/スカムルヨ(インドネシア WR1位)、東京五輪金の李洋/王齋麟(チャイニーズ・タイペイ WR4位)を退けたベテランだ。

 かつて世界選手権で銅メダルを2度獲得した2人は、現在、韓国代表チームとしてではなく、個人として活動中。金沙朗は「正直、ここまで来られると思わなかった」と目を丸くし、「相手が誰であろうと、合わせてやるだけ」と経験者らしい余裕で準決勝を迎える。

 対するのは、こちらもベテランで長身のデンマークペア。33歳&30歳のアンダース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ(WR8位)は、欧州ナンバーワンで、長い手足でシャトルを素早くとらえる。

 「男子ダブルスでは、サービスまわりが大切。なるべくラリーになる前にポイントをとりきりたい」とラスムセン。

 韓国とデンマークペアが最後に対決したのは2015年。韓国ペアが2勝中だが、ここ最近、主要ワールドツアーでの経験値が高いのはデンマーク。どちらが勝ってもおかしくない熱戦になるはずだ。

【明日への抱負】

ラスムセン「ここまで来たら、もちろん自分たちが勝ちたいと思っている」

金沙朗「準決勝は、今日の試合のように相手に全力で合わせてやるだけです!」

対戦成績=金基正/金沙朗が2勝0敗


女子ダブルス
世界選手権優勝の陳清晨/賈一凡が
優勝に王手をかけるか

 世界選手権金の陳清晨/賈一凡(中国 WR1位)は、準々決勝、最大の山場と見られたアプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア WR40位)に激戦のすえ勝利。優勝候補の日本ペアや、世界2位の李紹希/申昇瓉(韓国)が消える中、王者らしい風格で勝ち進んでいる。

 そんな2人が準決勝で迎え討つのは、韓国のホープ、白荷娜/李幽琳(WR32位)。2017世界ジュニア選手権の金メダリストは、日本の永原和可那/松本麻佑を準々決勝で下し、世界王者への挑戦権を得た。

 21歳&22歳ペアは、世界2位&3位のチームメイトに比べると、小柄で攻撃力にもかけるが、日ごろ、強打を受けることで成長したという。

 準決勝でも中国の怒涛の攻めが予想されるが、「レシーブする自信はある」と李幽琳。韓国の守備が上回るか、中国ペアが打ち崩すかに注目してほしい。

【明日への抱負】

白荷娜「明日は世界チャンピオンに学ばせてもらうつもりで戦います。しっかりレシーブしてミスを誘いたい」

賈一凡「世界選手権は激しい戦いで、心身ともにコンディションは下がっています。でも、勝ちたい気持ちを全面に出して戦います」


韓国対決!
前回王者に3番手が挑戦

もう一つの女子ダブルスは韓国対決に。前回王者で世界選手権銀メダルの金昭映/孔熙容(WR3位)と、韓国3番手の金慧貞/鄭那銀(WR10位)が対戦する。

金/孔が長身の攻撃型なのに対し、金/鄭はレシーブ型。相手の強打を交わしながら、チャンスをつくり、ポイントを稼ぐ。世界選手権の準々決勝で当たった際は、2ゲームとも19本の惜敗で、今回、リベンジしたい気持ちが強い。

「パリ五輪への出場権をつかみたい」と夢を描く金/鄭が、ディフェンディング・チャンピオンにどんな挑戦をするか、見届けてほしい。

【明日への抱負】

金昭映「世界選手権は決勝まで戦いましたが、とくに疲れは感じていません。しっかり準備して臨みます」

金慧貞「勝てるチャンスは十分ある。シャトルに緩急をつけて戦います」

対戦成績=金昭映/孔熙容が2勝1敗


混合ダブルス
渡辺/東野が念願の対決!
中国ペアにリベンジなるか

 世界選手権の決勝で、中国の鄭思維/黄雅瓊(WR2位)に完敗したあと、渡辺勇大/東野有紗(WR3位)はきっぱりと言っていた。

 「いま、世界で一番強いのは彼ら。現状、差はあるが、大阪の準決勝でリベンジし、優勝したい」

 こう願っていたとおり、日本のエースは、準々決勝でベテランのホンコン・チャイナペアに退け、世界王者への挑戦権を手に入れた。

 ライバル撃破のカギは、いかに中国ペアの速い球回しに対応できるか。徐々に後ろへ下げられ、豪打を浴びせられるパターンからの脱却をはかりたいところ。

 毎回、後方で華麗なジャンプドロップ&スマッシュを放つ渡辺は、「明日は日本のお客さんの前で最善のパフォーマンスをお見せしたいです」と気を吐いている。

【明日への抱負】

東野「相手のスピードについていきながら、自分たちの形をつくりたいです」

黄雅瓊「渡辺選手は動きが速く、クレバーな東野選手はネット前で緩急をつけるのが上手。私たちは体力的に問題ないので、自分たちらしくプレーするだけです」

対戦成績=鄭思維/黄雅瓊が11勝2敗